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ピケ、マンセルのドッグファイトとホンダのワン・ツー・スリー・フォー

1987.7.12 イギリス・グランプリ(シルバーストン)

1コーナーではプロストがウイリアムズ・ホンダのふたりをなんとか抑えますが・・・

これぞグランプリこれぞレース。と言えるような名勝負をネルソン・ピケとナイジェル・マンセルが演じてくれました。

ふたりは最速マシン、ウィリアムズ・ホンダに乗るチームメイトでありながら、F1史上、最も仲の悪かったチームメイトかも知れません。

以前ピケは、ある記者会見で、マンセルとの関係を聞かれ、「まったく問題ない。なにせお互い口も利かないから」と答えていたほどです。

そのふたりがF1ドライバーとしての意地とプライドをぶつけ合ったレースです。

前戦フランス・グランプリでも、マンセル、ピケの順でワン・ツー・フィニッシュを決めたものの、ここ最近、マンセルの勢いに押され気味のピケにとって、流れを変えるためにも是非とも勝ちたいレース。

かたやマンセルにとっては、地元イギリスのファンの前で、ライバルのピケに負けるはけにはいきません。

予選から圧倒的な速さを見せつけたふたりは、予選3位のアイルトン・セナ(ロータス)に1秒以上の差をつけてフロントローを独占します。

トップを行くピケ それを追うマンセル ふたりはプライドを賭けたドッグファイトへ

レース中のピット作戦に関しては、チームメイトでありながら、それぞれが、互いの作戦を知らないまま決勝を迎えました。

なぜなら、彼らは自身の戦略が相手に漏れることを恐れ、チーム内でもごく近しい者にしか作戦を伝えていなかったのです。

スタートでは、好ダッシュのアラン・プロスト(マクラーレン)に1コーナーを奪われますが、パワーに勝るホンダ・エンジンのピケとマンセルは1周を終えるまでに次々とプロストをパス。
ふたりだけのレースに入っていきます。

30周が過ぎた時点で、1位ピケのすぐ背後に、2位マンセルが追走していますが、かわせるような状態ではなさそうです。
そして、35周目、マンセルがピットへ入ります。

当初予定していなっかたピットインですが、タイヤの1本から振動が出ていたマンセルは、このままではピケをパス出来ないと判断し、フレッシュタイヤに変えて、ピケを追撃する作戦に変更します。

結果的には、この判断が功を奏し、終盤、タイヤのグリップダウンに苦しむピケを猛追。残り2周のハンガーストレートでピケの真後ろにつけます。

チームメイトでありライバルのピケとのバトルを制しマンセルが母国優勝

約300キ ロのスピードで、スリップストリームからマンセルはマシンを一瞬左(アウト側)に振ります。それを見たピケは、すかさず左に寄せブロック。が、ピケのその 動きを予想していたマンセルはピケがステアリングを左に切ったと同時にスペースのできたイン側へ飛び込みます。

マンセルが右からきたのを見て、ピケは今度はそれをブロックしようと右へ・・・。
次の瞬間、マンセルの左リヤタイヤとピケの右フロントタイヤがかるく接触。
しかし、ピケがわずかにマンセルにライン を与え、かろうじて2台はストウ・コーナーを通過します。

レースはそのままの順位で終了し、マンセルが母国イギリス・グランプリを3連勝。
また、3位にセナ、4位に中嶋悟(ロータス)が入り。ホンダ・エンジンが1位から4位を独占しました。

このレースは、世界のトップドライバー同士の、意地と意地がぶつかった、まれに見る緊迫したドッグファイトと、日本のホンダエンジンを搭載するマンセル、ピケ、セナ、中嶋による上位独占というF1グランプリの歴史に残るレースとなりました。

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