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セナ感涙の初タイトル

1988.10.30 日本・グランプリ(鈴鹿)

悲願の初タイトルを掴んだ瞬間 ’88年日本グランプリ

1988年シーズン、ここまでの14レースをセナ7勝、プロスト6勝で迎えた鈴鹿。

有効ポイントシステム上、優勝以外ポイントが加算されないアラン・プロストに対し、総得点では5ポイント差をつけられているセナでしたが、優勝すれば最終戦を待たずにチャンピオンを獲得できる状況で、第15戦日本GPを迎えました。

ポールポジションを奪ったのはセナで、なんとシーズン12回目。

曇り空の下、決勝レースがスタート。
しかしポールのセナがまさかのエンジンストール!

鈴鹿のスタートラインがわずかに下っているため、なんとか彼のホンダエンジンは息を吹き返したものの、1コーナーをプロストが先頭で通過したのに対し、セナは13番手で通過。

28周目のストレートエンド プロストのスリップストリームから抜け出しインを突く

セナのこのレースでのチャンピオン獲得は絶望的かと思われました。
が、「生涯最悪のスタート、しかし、生涯最高のレース」とレース後セナが語ったように、ここから猛烈な追い上げが始まります。

1周目のコントロールラインを8位で通過した後、2周目6位、4周目4位、11周目にはゲルハルト・ベルガー(フェラーリ)を抜いて3位に上がり、20周目にはイワン・カペリ(マーチ)のエンジンブローで、ついにプロストに次ぐ2位まで急浮上。

そして、28周目の1コーナーの進入で、周回遅れのアンドレア・デ・チェザリス(リアル)に引っかかったプロストのインを突いてパス。
神がかり的な走りでついにトップを奪いました。

終盤、雨が降り出した難しいコンディションを乗りきり優勝。

歓喜の表彰台 新チャンピオンセナと彼ににシャンペンを浴びせるテリー・ブーツェン

初のワールド・チャンピオンを決めるチェッカーを受けたセナ、コクピットの中で何度も何度もガッツポーズを繰り返し、ヘルメットの奥で涙を流しながらウイニングランをつづけるセナの姿に、彼がこれまでどれほどの想いで戦い続けて来たのか、どれほど強くチャンピオンになることを夢見て来たのか。
その想いが、彼を見守るすべての人たちに伝わってきました。

人生のすべてをモーター・レーシングに捧げてきたセナ。

彼の喜びの表現は、苦しみを乗り越えて来た人にしか、味わうことの出来ない感動だったのかも知れません。

そして、ひとりの男の喜びに浸る姿が、これほどまでに人々の心を揺さぶったことがあったでしょうか。

多くのF1ドライバーの中にあって、やはりアイルトン・セナの存在は特別です。

セナは、彼を見ている世界中の人々に感動を与えることができた偉大な英雄です。

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