F1 Bar

ライコネン & アロンソの競演 史上に残る好レース

2005.10.9 日本・グランプリ(鈴鹿)

追い越しの難しい鈴鹿で最高のバトルを幾度も演じたアロンソ(前)とライコネン(後)

近年まれに見る好レース、いや、F1史上に残る好レースだったと思います。

鈴鹿は、近年デザインされたサーキットとは性質の違う、ダイナミックなオールド・サーキットで、ドライバーのテクニックが問われるコースであり、また、特徴的なコーナーが多く、マシンが走っている姿を見ているだけでも楽しいサーキットです。

ただ、唯一の欠点はコース幅が狭いなど、オーバーテイクが難しい、ということでした。

ところが、この2005年の日本グランプリでは、レースの最初から最後まで随所でバトルがあり、そのひとつひとつが非常にレベルの高い、素晴らしいグランプリでした。

予選は雨がらみだったこともあり、早めにタイム・アタックした日本のマシンがフロントローを独占しました。
ポールはトヨタのラルフ・シューマッハ。その隣はBARホンダのジェンソン・バトンです。

佐藤琢磨(BARホンダ)も好位置5番グリッドから、フェルナンド・アロンソ(ルノー)、ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)、キミ・ライコネン(マクラーレン)は中団以降からのスタートです。

スタートは、ポールのラルフ・シューマッハがトップで1コーナーに進入。2位はジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)、3位にバトン。
佐藤琢磨は渋滞の中、フロントのダウンフォースを失ったのか、外側にふくらみコースオフ。同じく外側にふくらんだルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)と軽く接触し、最後方でコースに戻ります。

序盤、ペースの上らないシューマッハを追い詰めるライコネン

先頭のラルフ・シューマッハは、圧倒的な速さでリードを広げていきます。ガソリン搭載量を少なくし、序盤でマージンを築いてしまう作戦のようです。
ところが、オープニング・ラップの最終コーナーで、ファン・パブロ・モントーヤ(マクラーレン)がクラッシュ。セーフティー・カーが入ってしまい、ラルフの作戦は台無しになってしまいます。
数ラップ後、レース再開。

ラルフはもう一度後続を引き離しにかかります。
中団では、ペースの上らないミハエル・シューマッハにアロンソがチャレンジし、更にライコネンがすぐ後方から虎視眈々と狙っています。

12周目、トップのラルフが早くもピットイン。明らかに3ストップ作戦です。
19周目、バック・ストレートでミハエルのスリップストリームから抜け出したアロンソが高速130Rでミハエルをアウト側から豪快にパス!
抜いたアロンソはもちろんですが、抜かれたシューマッハのドライビングも見事だったと思います。

アロンソはこれで5位に浮上。
6位に下がったミハエルは、今度はライコネンにバトルを仕掛けられます。

27周目、両者同時にピットイン。そのままの順位でコースに戻ります。
ライコネンはこの時点では、1ストップ作戦のように思われました。

素晴らしい走りを見せたライコネン(中央)とアロンソ(右) 最終ラップに首位を失ったフィジケラ(左)は冴えない表情

30周目、メイン・ストレートでライコネンがミハエルのスリップストリームを利用し、1コーナーでアウトからオーバーテイク。4位に上がります。
抜かれたミハエルのすぐ後ろには、再びアロンソが接近しています。

1度ミハエルをかわしているアロンソでしたが、ピット作業後、ジャック・ビルヌーブ(BMWザウバー)に引っかかってしまい、順位を下げていたのです。
そして、32周目、今度は1コーナーのアウトからミハエルを、この日2度目のオーバーテイク。
5位に浮上します。

40周目、先頭を走っていたバトンが2回目のピットイン。
これでライコネンがトップに立ちます。ライコネンは予選17位からの追い上げでした。

このままライコネンの優勝かと思われた46周目、残り7周というところで、なんと、そのライコネンがピットへ!かなり変則的な2ストップ作戦だったようで、少量のガソリンだけを補充し、ピットアウト。
これでフィジケラがトップに立ちますが、数秒後方からライコネンが追い上げています。

残り5周、4位に順位を上げていたアロンソが、今度は3位のマーク・ウェバー(レッドブル)に襲い掛かります。ストレートでブロックラインを取るウェバーのスリップストリームから、更にイン側に抜け出し、右側のタイヤをダートに落としながらオーバーテイク!

前戦ブラジルで、既に、このシーズンのチャンピオンを決めていたアロンソですが、勝負に賭ける気迫は凄いものがあります。
トップ争いは、フィジケラとライコネンがテール・トゥー・ノーズの状態。しかし、明らかに勢いはライコネンにあり、フィジケラは必死にブロックラインを取っています。

快心のドライビングでシーズン7勝目を挙げたライコネンを祝福するロン・デニス

そして、最終ラップ。
メイン・ストレートでフィジケラのスリップストリームに入ろうとするライコネン。それを嫌ってマシンを左右に振るフジケラ。
しかし、1コーナー手前でスリップからアウト側に抜け出したライコネンが、タイヤとタイヤが接触しそうになりながらも、フィジケラの鼻先をかすめるようにオーバーテイク!
アロンソ同様、気迫にあふれたライコネンのドライビングでした。

ライコネンはこれでシーズン7勝目のチェッカー。2位にフィジケラ。3位に好バトルを見せてくれたアロンソ。4位ウェバー。5位バトン。佐藤琢磨は13位でした。

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